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DSP/DTX
ケーブルアナライザー(メタル編)
01) DSP や DTX
の測定確度を手軽にチェックする方法
02) DTX でクロスケーブルを測るには?(その1)
03) 最悪値と最悪マージン
04)
あらためて、チャネル・リンクとパーマネント・リンクの話
05) 手持ちの DTX-1800 で、10GBASE-T
の測定はできるのでしょうか?
06) DSP-PLCAL
によるパーマネント・リンク・アダプターの自己校正
07) LinkWare によるテスト・レポートの見方
08) AUTO TEST の結果表示画面に表示される “i”
の意味は?
09) チャネル測定時に “不良なパッチコード”
のエラーメッセージが出てしまう
10) DTX でクロスケーブルを測るには?(その2)
11) Cat 7 について
12) 結果の自動保存
13) 利用可能なメモリーカードとその容量は?
14) 画面のコントラスト調整方法は?
15)
出力パワーがネットワーク機器に与える影響は?
16) ショート・リンクとは?
17)
マージンは同じなのに、一方はマージナルとしてレポートされるのはなぜ?
18) カテゴリー 6e は規格化済み?
19) カテゴリー 7 のテスト方法は?
20)
測定した長さが規格をこえたのになぜ合格となるのか?
21)
シリアル番号の場所はどこを見ればよいのか?
22) WEB
での製品登録を行うときの、製品カテゴリーと製品名は何を選択したらよいのか?
23) 挿入損失 (減衰量)
とは?
24) 長さ測定の範囲/測定分解能/確度は?
25) 長さのリミットが表示されない理由は?
26) NVP
値を間違えて設定した場合の長さの測定誤差は?
27) 近端漏話減衰量 (NEXT) とは?
28) 反射減衰量 (RL) とは?
29)
トーン信号を発生する機能はありますか?
30) カテゴリー 5 の試験はできますか?
31)
規格で定められた最大測定周波数以上で測定を行うには?
1) DSP や DTX
の測定確度を手軽にチェックする方法
ケーブルテスターを使っていると、「この測定結果は正しいのだろうか?」と不安を感じることがあるかと思います。そのほとんどの場合は、測定対象物自体に原因があることが多いのですが、測定器の経年劣化等により測定確度が悪くなっている可能性もあるかもしれません。正確な測定を行うためには、定期的に測定器をメーカーに戻し校正を行わなければなりませんが、日常点検として行える簡易的な測定確度のチェック方法をご紹介します。
ケーブルテスターをメーカー校正に出し、それ自体に問題が無いか確認する。
サンプルとなるチャネルやパーマネントリンクを作成し、校正済みのケーブルテスターでこの
2 つを測定する。
周波数特性グラフが入った測定レポートを作成し、サンプルのケーブルとともに保管する。
ケーブルテスターの測定確度に不安があるときは、サンプルのケーブルを測定し、表示されている
結果と保存しておいた測定レポートとを比較し、大きなずれがないか確認する。
以上の方法で簡易的に測定確度のチェックが行えますが、サンプルや測定アダプターの経年変化により必ず多少の誤差は発生しますので、あくまでも目安としてご利用下さい。
10GBASE-T も登場し、LAN
配線の測定はますますシビアになってきています。正確な測定結果および合否判定を得るためにも、定期的な校正や測定アダプターの交換を行いましょう。
2) DTX
でクロスケーブルを測るには?(その1)
TIA や ISO
などの配線規格では、ストレートでの配線を基本としています。
従って、これらの規格を用いてクロスケーブルを測定すると、ワイヤーマップで
“不良”となってしまいます。(強制的に続行させることもできます。)
しかし、どうしても測定しなければならないときには、SETUP
の“テストの規格”より
“アプリケーション”(IEEE) を選び、100BASE-TX や 1000BASE-T
を選択します。
次に、“アウトレットの構成”の一覧の中から
CROSSOVER などを選択します。
もし、一覧の中の言葉の意味が分からなければ、“サンプル”(F1
キー)を押すと
説明画面が表れます。
なお、パッチコードを測る場合には、両端のプラグとチャネルリンク・アダプターとの勘合部は、配線測定規格による定義上、測定範囲に入らないことにもご注意下さい。
設定方法の詳細は、こちら(pdf 形式
140KB) をご覧ください。
3)最悪値と最悪マージン
測定レポートには、測定結果の詳細として測定項目それぞれの”最悪値”と”最悪マージン”が表示されます。両者の違いは何なのでしょうか。
測定規格では、あくまでも
”規格値に対して、どれくらい実測値が上回っているか”
によって性能の良し悪しを判定することになっています。つまり、規格値と実測値の差(マージン)
が大きければ大きい程、敷設したケーブルの性能特性が良いと言えるのです。
具体的な測定例をご覧ください。この図は、リターン・ロスの測定結果の一例です。

実測値だけを見れば、一番数値が悪いのは 225MHz と 250MHz
の間です。この値が "最悪値"
と呼ばれます。しかし、規格値と実測値を比較して一番余裕が無いのは、25MHz
と
50MHz
の間にある下向きのピークと規格値との間です。この間隔、つまり規格値と実測値の差が最も小さいところが
”最悪マージン”
と呼ばれます。配線性能の良し悪しは、この最悪マージンの大きさで比較します。
注記:LInkWare
を使用して出力された、テスト・レポートの測定項目名の行に表示されている数値は、実測値でなくマージン(実測値−規格値)
となっています。
4)あらためて、チャネル・リンクとパーマネント・リンクの話
チャネル・リンクとパーマネント・リンクの違いは、すでにご存知だと思います。配線の端から端という意味では、チャネル・リンクが実際にネットワークの運用で用いられる範囲であり、これを測定することが望ましい訳ですが、実際の配線施工時は両端に位置する機器コードおよび、ワークエリア・コードは接続されていないことがほとんどです。
そこで、パッチパネルと通信アウトレット、あるいはパッチパネル間での、性能確認のためにパーマネント・リンクという考え方が存在します。
しかし、実際には施工したパーマネント・リンクに、手元にある適当なパッチコードを接続し、チャネルリンクアダプターで測定する、といった場合が多く見受けられるようです。
当然、ネットワークの運用時には別のパッチコードが取り付けられますので、前述の測定方法は、チャネルリンク測定の主旨からもはずれています。配線全体で発生するNEXTやRLのほとんどは、配線の両端で発生します。従って、品質の良く分からないパッチコードを使って、チャネルリンクとして測定すると、結果的に施工したパーマネント・リンク本来の性能よりも悪い数値が得られる可能性があります。
確かに、チャネル・アダプターに適当なパッチコードを接続する方法を用いれば、測定アダプター自体の接点が磨耗することはなくなりますが、本来の施工品質が見えなくなってしまいます。
パーマネントリンクでの施工・測定時には、必ずパーマネントリンク・アダプターを用いて測定するようにしましょう。

5)手持ちの DTX-1800 で、10GBASE-T
の測定はできるのでしょうか?
10GBASE-T の伝送規格が 2006
年に制定され、それ以降、徐々に先行配線としてのCat6A
などの言葉を、現場でも耳にするようになってきているようです。
弊社では DTX-1800 の発売開始当時、DTX
用の測定アダプターとしてチャネル・リンク用の DTX-CHA001
とパーマネント・リンク用として DTX-PLA001+PM06
を添付しておりましたが、10GBASE-T
規格の制定と合わせて、それぞれ DTX-CHA001A と DTX-PLA002
に変更しました。
それでは、古いタイプの測定アダプターは 10G
測定に使えないのでしょうか?
DTX-1800 は 900MHz
までの測定が可能となっており、新旧どちらのアダプターを使っても確度レベル
W の正確さで、何の問題も無く測定を行うことができます。
ただ、パーマネント・リンク用の PLA002 では、PLA001
と比べ、より特性の良い構造を採用しているので、PLA001
を用いた測定よりも、若干良いリターン・ロスの測定値が得られるようです。もちろん、この変動は確度レベル内でおさまる、わずかなもので、むしろアダプター自体の経年劣化の方が問題です。
DTX-PLA001

DTX-PLA002
・プラグ先端の接点がねじ 1 本で簡単に交換可能。

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6)DSP-PLCAL
によるパーマネント・リンク・アダプターの自己校正
メタル配線の測定において最も不合格の結果が発生する測定項目は、リターン・ロスと
NEXT
です。特にリターン・ロスの測定値は、施工技術だけではなく測定器の状態によっても左右されます。
チャネル・リンクでの測定の場合には、チャネル測定用のアダプターと測定対象物との勘合部分は測定範囲から除外されるため、測定アダプターによる測定結果への影響は殆どありません。しかし、パーマネント・リンク測定の場合には、測定アダプターとの勘合部分も測定範囲に含まれるため、このアダプターの経年変化等による測定結果への影響が発生する可能性があります。もし経年変化があった場合、アダプターは測定器本体から最も近い所にあるため、その影響を大きく受けることになります。
パーマネント・リンク・アダプターに用いられているケーブルは、使用時の屈曲によって、その内部構造が変化し、インピーダンスが当初の値から変動します。その結果、リターン・ロスの測定結果に影響が発生します。
この “ずれ” を調整するために、DSP-PLCAL
を用いて自己校正を行うことは、正確なリターン・ロスの測定のために大変有効です。DSP-PLCAL
には、終端・開放・ショートが作り込まれており、ネットワーク・アナライザーと同じ原理で校正を行うことができます。
何年も使っているような DTX-PLA001 の場合、この校正作業により 1
から 2dB
程度のリターン・ロスの測定値が改善されることもあり、マージンの厳しい
Cat6A の測定の際には必須の作業です。
注意:この作業はパーマネント・リンク・アダプター自体の調整を行うだけであって、製品本体の校正を行うためのものではありません。従って、これによって校正証明書を作成することはできません。
製品本体の校正および校正証明書の発行は、有料のプログラムとなります。詳細は、弊社サービス・センターにお問い合わせください。
7)LinkWare
によるテスト・レポートの見方
最新の LinkWare バージョン 3.12
に合わせ、“テスト・レポートの見方”
の資料を改訂いたしました。ダウンロードはこちらから。
8)AUTO TEST
の結果表示画面に表示される “i”
は、何を意味しているのでしょうか?
“i” は information
の頭文字で、測定規格では要求していないものの、参考情報として表示している測定項目を示しています。たとえば、直流抵抗(画面では抵抗値)
の測定は TIA 規格では要求していないものの、ISO
規格では要求をしています。もちろん、要求されていない項目では規格値との比較ができませんので、実測値のみが表示されます。また一定のルールによって、測定が要求されている測定項目でも合否判定がなされず、“i”
マークが付く特例もあります。
 ISO
規格の場合 |
 TIA
規格の場合 |
9)チャネル測定時に
“不良なパッチコード” のエラーメッセージが出てしまう。
| チャネルリンクの定義では、リンクの両端に存在するプラグとジャックの勘合部分は測定範囲に含まれていません。これは、プラグの接続対象となるモジュラー・ジャックが、ネットワーク機器によって異なるためです。従ってケーブルテスターでは、チャネル・リンク試験を行った場合、チャネル・リンク・アダプターとプラグの勘合部分で発生する
NEXT や RL の影響を除いた数値を、測定結果として表示しています。DSP/DTX
シリーズでは配線規格における定義に基づき、DSP
技術を利用して両端の勘合部分の影響を排除していますが、より現実的な対応として、一定レベル以上の
NEXT や RL
が勘合部分において発生している場合、以下のようなメッセージを画面に表示します。この表示はプラグの成端品質の不良だけでなく、パッチコードのようにプラグ間が短い場合にも発生します。これは、遠端側で発生した
NEXT や RL
が減衰することなく、近端に影響を及ぼすためです。本来、チャネル・リンク・アダプターはパッチコードの品質を確認するために作られたものではありません。パッチコードのように両端のプラグ付けにおける品質を確認したい場合には、専用のアダプターが必要となります。 |
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10)DTX
でクロスケーブルを測るには?(その2)
TIA や ISO
における配線規格はストレートで結線することを前提としていますので、クロス配線を測定しますと、いくら部材や成端の品質が良くてもワイヤーマップやそれに関連する挿入損失、ACR
などの測定項目で不合格となってしまいます。
本来、クロス配線の測定は例外的な方法となりますが、DTX-1800
ではカスタム設定により Cat 6
のクロスなど特殊な結線の配線を測定することが可能となっています。
基本的な手順は以下の通りです。
手順 1
"SETUP" → "撚り対" → "テスト規格" → "次の画面"
→ "カスタム" → "作成"
の順で操作し、カスタム設定を作成する。この画面の“デフォルト値を使用”で、CAT5EやCAT6を選択し
"SAVE" を押して終了
手順 2
"EXIT" キーでテスト規格を選択する画面まで戻り、"テスト規格"
→ "次の画面" → "カスタム" → 上記手順1で作成したカスタム設定を選択
手順 3
最初の画面に戻るので、画面一番下の “アウトレットの構成”
にてクロス結線を選択する。
以上で、クロス結線を TIA や ISO
規格で測定することができるようになります。
設定方法の詳細は、こちら(pdf 形式 200KB)
をご覧ください。
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11)Cat 7 について
Cat 7
による配線という言葉を聞くことが時々ありますが、このような配線は施工できるのでしょうか。結果から申し上げると、実際には
Cat 7 の配線規格と言うものは存在しません。
ISO/IEC11801 においては、配線の性能レベルを Class A, B, C
・・・ というように分類しています。これは TIA での Cat 5, Cat 6
といったリンクの配線規格に相当します。ISO
規格では、配線性能を規定するそれぞれの Class
の中で用いるケーブルやコネクターといった配線部材の性能レベルを定義しており、これらは
Cat 5, Cat 6 という呼び方で分類されています。この中で、Class F
の配線に用いる部材としては Cat 7
というレベルの性能を要求しています。つまり ISO
規格の中で出てくる Cat X
という言い方は、配線の規格ではなく、その配線の中で使われている部材の性能レベルを現す言葉なのです。
「Cat 7 による配線」という言い方は、こうした TIA と
ISO の用語の使い分けが誤解されているためと思われます。
12)結果の自動保存
配線の測定においては、その本数が多いほど単調な作業が続きがちで、うっかり結果の保存を忘れてしまい、測定結果が
1
ポート分ずれてしまったという経験をされた方もあるかもしれません。
| DTX の SETUP
項目には「結果の自動保存」という機能があります。この機能を有効にすると、オートテストが終わると同時に結果が自動的に保存されます。ただし、不合格の結果でも全て保存してしまうので、1
つのポートを 2 回測ると保存された結果が 1
ポートずつずれてしまうことになりますので、これについても注意する必要があります。 注意:結果の自動保存は、古いファームウェアではご利用になれません。最新のバージョンにアップデートしてご利用下さい。 |
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13)利用可能なメモリー・カードとそのの容量は?
DTX シリーズ
DTX-1200 および DTX-1800 は、MMC タイプで 128 MB まで、SD/MMC タイプで 2
GB まで利用できます。SDHC タイプのカードは利用できません。
注:DTX のファームウェア・バージョンを
2.12 以上にアップデートする必要があります。

フルーク・ネットワークスでは、特定のベンダーの SD/MMCs
の指定はしていませんが、信頼性の高いカードのご使用をお勧めいたします。
利用可能な最大フォルダー数は 20 です。1
つのフォルダーに 2,000 以上の結果を保存することはできません。
DSP シリーズ
DSP-4100 および DSP-4300 は、MMC タイプで 128 MB まで利用できます(新しい
MMC PLUS の 128 MB タイプも含む)。SD/MMC タイプは、MMC
タイプに比べて厚みがあり、物理的に差し込むことができないため利用できません。
注:128 MB までのカードを利用するには、DTX-4x00
のファームウェア・バージョンを x.925
にアップデートする必要があります。

14)画面のコントラスト調整方法は?
コントラストを調整するには、下記の画面が表示されるまで
キーを押し続けます。
その後、
キーから手を離します。

調整が済んだら ENTER キーを押して完了します。
15)出力パワーがネットワーク機器に与える影響は?
DTX
ケーブルアナライザーの出力は極めて微小です。したがって、ハブやスイッチのアクティブ・ポートに損傷を与えることはありません。
DTX
ケーブルアナライザーの出力パワーは、周波数に依存します。以下が代表値です。
| 1 〜 100 MHz |
3 〜 5 dBm |
| 100 〜 250 MHz |
0 〜 3 dBm |
| 250 〜 600 MHz |
-3 〜 0 dBm |
| 600 〜 900 MHz |
-3 〜 -12 dBm |
なお、1 から 600 MHz の出力を 0 dBm
と仮定すると、これは、1 mW あるいは、対撚り線間で 0.32 Vrms
あるいは、0.9 Vp-p となります。
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16)ショート・リンクとは?
一般に、15 m
以下でリンクはテストできないと言われています。また、フィールド・テスターも、この能力を備えていないと思われています。
これは、間違いです。この考え方は、異なる解釈をした一部の人たちにより広められました。しかしながら、規格に準拠したコンポーネントを提供しているベンダーの多くが、ショート・リンクに違反するアドバイスを行っています。なぜならば敷設は、ぴったりの長さで完璧に行わなければいけないと思っているからです。しかし、率直に申し上げて物事は必ずしも完璧にはいきません。
右のサンプル・テスト・レポートは、ちょうど
12.4 m
のリンクを測定した結果です。クリックすることで拡大します。
ですので、運悪く、ショート・リンク(15 m 以下)
の試験を行って、不良となった場合はその原因は何なのでしょうか?突き詰めると、それは、敷設方法に問題がある場合があります。つまり、ショート・リンクにおいては、終端のコネクターが重要となります。
しかしながら、遠端のコネクターからの FEXT
反射が原因で起きる場合もあります。以下の記述が、ANSI/TIA/EIA-568-B-2-1-2002
の中にあります。
FEXT ロスの反射による影響の見極め方法に関する K.3 ガイドライン
反射FEXT
ロス効果は、以下の条件において、チャネルとパーマネント・リンクの
NEXT ロスの合/否要件に影響をおよぼします。
- ケーブルおよびコネクティング・ハードウェアの NEXT
ロスは、最小性能要件ぎりぎりの値である場合。この状態の検知は、一般的に、NEXT
ロスがチャネルまたはパーマネント・リンクのそれぞれの合/否要件に対してマージンが少なく表示されることで示されます。
- 主要な反射が、リンクの開始点近辺で起こる場合。この状態は、チャネルまたはパーマネント・リンクのリターン・ロス性能が、ほとんどの場合、10
MHz から 30 MHz の周波数帯域において合/否リミット値に近くなることによって一般的に検知されます。
- リンクの開始点からのケーブル長が短い(数メートル)
場合。
- コネクターの FEXT ロス、およびケーブルの ELFEXT
が、ほとんどコンポーネントの最小性能要件ぎりぎりの値である場合。この状態は、チャネルまたはパーマネント・リンクの
ELFEXT 特性を観ることで、一般的に見つけることができます。FEXT
ロス反射による重大な影響は、チャネルまたはパーマネント・リンクの合/否リミット値が
5 dB
以上あれば一般的に避けることができます。リモート・コネクターが、近端コネクターからそれなりの距離に配置された場合、減衰により
FEXT
による反射は低減されます。しかし、リンクの長さが短くなった場合、FEXT
による反射は、測定した NEXT に加算、あるいは減算されます。
以下は、フルーク・ネットワークスのガイドラインです。
- リンクの長さを 15 m 以上に維持する。
- サービス・ループの径をあまり小さくしない。これはリターン・ロス増加の原因となります。
分岐点 (CP)
がある場合、これはディストリビューション・パネルから 15 m
そして通信アウトレット(TO) は、CP から 5 m 確保してください。
17)マージンは同じなのに、一方はマージナルとしてレポートされるのはなぜ?
しばしば、どうして同じヘッドルーム(最悪マージン)
を持つ 2
つの結果が、下記のように異なる形でレポートされるのか?という質問をされます。

アスタリスク表示は、最悪 NEXT マージンが DTX
ケーブルアナライザーの確度内に入っていることを示します。そうであれば、上記の
2
つの結果は同じようにアスタリスク表示がつくべきではないのか?
必ずしもそうではありません。
DTX
ケーブルアナライザーの確度は周波数によって異なります。
次はリンク 1 のワースト・ペア NEXT の測定結果です。

次に、リンク 2 のワースト・ペア NEXT
と比較します:

リンク 2
の最悪マージンは、低い周波数で起きています。測定確度は良好であるため、マージナル
NEXT としてはレポートされません。
18)カテゴリー 6e は規格化済み?
市場において、カテゴリー 6e
と表記されているケーブルが出回っています。これらは、カテゴリー
6A と同じではありません。カテゴリー 6e ケーブルは、カテゴリー 6
の必要条件を上回る性能を備えているかもしれませんが、規格上では存在しません。また、ANSI/TIA/EIA-568-B.2-10
カテゴリー 6A
での必要条件である厳しいエイリアン・クロストーク要求を満たしません。
最大長 100 m (328 フィート) のチャンネルで、確実にそのケーブルが
10GBASE-T をサポートしないといけない場合、最低でも
ANSI/TIA/EIA-568-B.2-10 Augmented Category 6
のドラフト規格要件に適合していることを確認する必要があります。
19)カテゴリー 7 のテスト方法は?
カテゴリー 7 テストではなく、クラス F
テストのことではないかと思われます。
現時点では、カテゴリー 7 リンクなるものはありません。クラス F
リンクと呼ばれているものならば、ISO/IEC 11801 と EN50173
で見つけることができます。クラス F リンクは、カテゴリー 7
コンポーネント(部材) から構成されています。ISO/IEC と EN
規格においては、リンクはクラスとして定義されています。これらのクラスを構成するコンポーネント(部材)
は、カテゴリーにより定義されています。北米のケーブリング規格で見られるものとは大きく異なります。
敷設済みのリンクについて話すとき、しばしばクラス F
をカテゴリー 7
として誤って話してしまう場合があります。これが技術的に間違っているということはご理解いただけたと思います。クラス
F についての詳細を知りたい場合は、ここをクリック(英文)
してください。
20)測定した長さが規格をこえたのになぜ合格となるのか?
測定結果には、規格で定められた 10 % ルールが適用されます。
例 1: (このディスプレイは、最新の DTX
ソフトウェア・バージョン 2.22 を使用しています。DTX CableAnalyzer
のアップデートをお忘れなく)

測定結果の長さが、90.0 m
のリミット値を上回っていますが、これは本当に正しいのでしょうか?
この答えは、業界承認の配線規格 ANSI/TIA/EIA 568-B.1*注記
の中に見つけることができます。
"11.2.4.3.1 Physical length vs. electrical length
The Pass or Fail criteria is based on the maximum length allowed for the channel or
permanent link given in figures 11-1 and 11-2 plus the NVP uncertainty of 10%."
対訳:
「11.2.4.3.1 物理的な長さ 対 電気的な長さ
合格または不合格基準は、図 11-1 および 11-2にあるチャネルまたはパーマネント・リンクの最大長に
10 % の NVP 不確かさを加えたものが基本となっています。」
リミット値が 90.0 m であっても、4
組のペアの中で最も短い 1 組が 90 m + 10 %(99 m)
を上回らない限り、テスターは長さ測定において不良とはならないことを意味します。上記の例では、最も短い
1 組は、92.5 m なので、この規格によって許容される 90 m + 10 %
未満となります。
*注記:ANSI/TIA/EIA-568-B.1 は、ANSI/TIA-568-C.0
に置き換わりました。しかし、フィールド・テスターのレポート要求は、この規格から外されて、新しい
TIA 1152 規格に組み込まれました。従って、10 %
ルールは、今後も適用されます。
この規格の定義について納得あるいは同意していないユーザーの方々もいます。しかし、DTX
CableAnalyzer は、規格に基づいてパス/フェイルの判断を行っています。フルーク・ネットワークスが、10
%
の誤差ルールに必ずしも合意しているわけではなく、業界全体がこれに合意しました。フルーク・ネットワークスは、最新の規格を実装しています。これは、90
m
を越えてしまった場合の言い訳ではありません!ケーブルが、規格ぎりぎりでパスした場合などは、長さで不良になる前に、挿入損失で不良となる傾向があります。
このルールは、長さのリミット値が 100 m
のチャネルのリミットにも当てはまります。そのため、規格条項
11.2.4.3.1 により、長さのテストにおいて 4
ペアの内の一番短いペアが 100 m + 10 %(110 m) を上回らない限り不良とはなりません。
リンクの長さに関するレポートに、一番短いペアが使用されていることを理解しておくことが重要です。同様に、これは
ANSI/TIA/EIA 568-B.1 の11.2.4.3.1 節に詳述されています。
物理的な長さが電気的な長さによって決定される場合、レポートの合格または不合格の決定に使用されるリンクの物理的な長さは、電気的な遅延がもっとも短いペアを使用して計算されることになります。
例 2: (このディスプレイは、最新の DTX
ソフトウェア・バージョン 2.22 を使用しています。DTX CableAnalyzer
のアップデートをお忘れなく)

ここでは、最も短い 1 組のペアは 7, 8 で、その長さは 97.9 m
となっています。従って、90 m のリミット値に対して 10 %
を上回っていないため合格となっていることが分かります。その他の
2 組において、90 m + 10 %
を上回っていますが、情報提供のみを意味する “I”
マークが表示され、リンクの評価には使用されません。
例 3: (このディスプレイは、最新の DTX
ソフトウェア・バージョン 2.22 を使用しています。DTX CableAnalyzer
のアップデートをお忘れなく)

一番短いリンクの長さが、90 m + 10 %
を上回っていますので、不合格となります。
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21)シリアル番号の場所はどこを見ればよいのか?
製品本体およびスマート・リモートのシリアル番号は、オプション品の取り付け用に用意されている背面スロットの部分に記載されています。背面カバーを取り外すことで、確認することができます。下記の図を参照ください。

22) WEB
での製品登録を行うときの、製品カテゴリーと製品名は
何を選択したらよいのか?
WEB
上での製品登録時には、製品カテゴリーは “DTX Model”
を選択し、製品は “DTX-1800 AP” 等を選択してください(最後に “INTL”
または “120” と付いた製品は選択しないようにしてください。)。”Serial
Number” の入力欄には本体側のシリアル番号を入力し、“Purchase Date”
には購入した日付を入力するようにしてください。


23) 挿入損失 (減衰量) とは?
規格では、”減衰量 (attenuation)”
に替わって、新たに “挿入損失 (insertion loss)”
の用語を使用します。
リンクに伝送される電気信号は、リンクに沿って移動するうちにエネルギーのいくらかを失います。挿入損失測定では、信号がケーブル・リンクの受信側に到着するまでに失われるエネルギー量が測定されます。挿入損失の測定は、電気信号を伝送するケーブル・リンクの電気抵抗による影響を数値化します。

リンクの挿入損失の特性は、伝送される信号の周波数で変わります。例えば、高い周波数の信号は、より多くの電気抵抗の影響を受けます。つまり、リンクは、より高い周波数信号に対して、より多くの挿入損失を示します。従って、挿入損失は、適用周波数帯で測定することになっています。例えば、カテゴリー
5e チャンネルの挿入損失をテストする場合、挿入損失は 1 MHz から
100 MHz までの帯域で検査する必要があります。Cat 3
リンクの周波数帯は 1 MHz から 16 MHz
までです。挿入損失もまた、リンクの長さとともに、直線的に増加していくのは明らかです。つまり、リンク
“A” がリンク “B” よりも 2
倍長い場合、その他の全ての特性が同じであれば、リンク “A”
の挿入損失は、リンク “B” の挿入損失よりも 2
倍大きくなることになります。

挿入損失は、デシベルすなわち dB
で表現されます。デシベルは、出力電圧 (リンクの遠端で受信した信号電圧)
を入力電圧 (送信機からケーブルに印加した電圧)
で割った比の対数計算値です。
テスト結果の見方
ケーブルの挿入損失は、各対撚り線に使用されるワイヤーのゲージ
(径) に大きく依存します。24 ゲージのワイヤーは、同じ長さの 26
ゲージ・ワイヤー (より細い)
よりも挿入損失が小さくなります。しかも、撚られたケーブルは、単芯の銅線ケーブルよりも
20 〜 50 %
挿入損失が大きくなります。フィールド試験器は、挿入損失の最悪値とマージンをレポートします。ここでマージンとは、測定した挿入損失と選択した規格で許容される最大挿入損失との差です。従って、4
dB のマージンは 1 dB のマージンよりも良い結果となります。
推奨トラブルシューティング方法
過剰な長さは、挿入損失が不合格になる最も一般的な理由です。通常、挿入損失が不合格になったリンクの修復には、敷設ケーブルのすべての余長部分を取り除き、ケーブル全体の長さを減らすことを行います。
過剰な挿入損失は、低品質なコネクタやプラグの成端作業に起因することもありえます。接続があまい場合、著しく挿入損失を増加することがあります。この問題解決の手掛かりとしては、4
ペア上の挿入損失を比較することです。1 組、または 2
組のペアだけが高い挿入損失を示している場合、コネクタ圧接時の問題を示唆しています。もしも、すべてのペアが、あまりにも大きな挿入損失を持っている場合、リンクの長さが長すぎないかをチェックしてください。しかし、銅ケーブル内の不純物により、挿入損失の不良を引き起こすこともあります。この場合は、一般的に
1 組のペアのみで問題が生じます。
「Polywater J」
のような潤滑油を使用すると、重度の挿入損不良を引き起こすことがあります。それが乾燥するまで放置することで、挿入損失は、ほぼ正常に戻ります。管路の中に
Polywater を注ぎこむのは、非常に間違った考えです。
温度も、ケーブルによっては、挿入損失に影響をおよぼすものもあります。導体の絶縁やケーブル・ジャケットを成型する誘電体は、ワイヤーに沿って信号が伝搬していく中で、わずかながら伝送信号を吸収します。この現象は、特に
PVC (ポリ塩化ビニール) を含んでいる場合に当てはまります。PVC
材は、塩素原子を含んでいますので、絶縁材の中で、電気的に活性化され双極子を形成します。これらの双極子はワイヤーを囲んでいる電磁界に応答して振動し、振動が大きくなればなるほど、信号からより多くのエネルギーが失われます。温度の増加は、双極子が絶縁材の中で振動しやすくなるため問題を悪化させます。これは、温度により損失が増加する結果となります。
この理由から、規格化団体は、20℃で調節した特定の挿入損失を条件として指定する傾向があります。極端な温度で作動しているケーブルは、更なる挿入損失の増加がありえます。そして、このようなことが起こりそうな所では、ケーブル・システムの設計に配慮する必要があります。従って、配線長については、規格で定められている最大長
90 メートル
まで引き回さないほうが賢明です。多くのコンサルタントは、安全を見越したマージンを提供するために、80
メートル以下で敷設するようにしています。しかしながら、これはもちろん、スペースの確保が優先され、かつ、通信室の数が最低限に保つことが必ずしも可能でない場合もあります。次に
ANSI/TIA/EIA-568-B での温度による配線長の減少を示します。
| 温度 |
(℃) |
最大水平 UTP
ケーブル (m) |
最大水平 ScTP
ケーブル (m) |
短縮された長さ
(UTP) (m) |
短縮された長さ
(ScTP) (m) |
| 20 |
90.0 |
90.0 |
0 |
0 |
| 25 |
89.0 |
89.5 |
1.0 |
0.5 |
| 30 |
87.0 |
88.5 |
3.0 |
1.5 |
| 35 |
85.5 |
87.7 |
4.5 |
2.3 |
| 40 |
84.0 |
87.0 |
6.0 |
3.0 |
| 45 |
81.7 |
86.5 |
8.3 |
3.5 |
| 50 |
79.5 |
85.5 |
10.5 |
4.5 |
| 55 |
77.2 |
84.7 |
12.8 |
5.3 |
| 60 |
75.0 |
83.0 |
15.0 |
7.0 |
フィールド試験器の中には、挿入損失の合格/不合格ラインを調整するための温度設定を備えているものもあります。規格では、これは許可されていません。したがって、フルーク・ネットワークスのフィールド試験器は、この設定をすることはできないようになっています。
24) 長さ測定の範囲/測定分解能/確度は?
以下に、DTXケーブルアナライザー・シリーズの長さ測定に関する測定範囲、分解能、確度の仕様を示します。
仕様
| |
ツイスト・ペア・ケーブル |
| |
リモートなし |
リモートあり |
| 測定範囲 |
800 m |
150 m |
| 分解能 |
0.1 m |
0.1 m |
| 確度 |
±(0.3 m + 2 %);
0 m 〜 150 m |
±(0.3 m + 2 %) |
±(0.3 m + 4 %);
150 m 〜 800 m |
| |
同軸ケーブル |
| |
リモートなし |
リモートあり |
| 測定範囲 |
800 m |
800 m 注1 |
| 分解能 |
0.1 m |
0.1 m |
| 確度 |
±(0.5 m + 2 %);
0 m 〜 180 m |
±(0.5 m + 2 %);
0 m 〜 180 m |
±(0.5 m + 4 %);
180 m 〜 950 m |
±(0.5 m + 4 %);
180 m 〜 950 m |
注1 NVP が 80 % において
25)
長さのリミットが表示されない理由は?
下記例のようないくつかの理由があります。
例 1:

上記の画面で、長さのリミットが無いことに気づかれると思います。この例では、ISO11801
PL max クラス E のテスト・リミットを選択しています。国際規格(ISO
規格)およびヨーロッパ規格(EN
規格)では、規格準拠のために長さ測定要件はありません。
稼働している機器にとっては、物理的な長さが問題になることはなく、長さに関連したパラメーターとしての挿入損失、伝播遅延、遅延時間差、および
DC
ループ抵抗が仕様の範囲内であれば良いことになります。このことから、ISO/IEC
11801:2002 および EN50173:2002
では、長さが性能要件として定められていません。
表 B.1 は、ISO/IEC 11801:2002 配線規格です。
チャンネル、またはパーマネント・リンクで実施されるテストのタイプごとに
“I”(情報提供のみ) または “N”(規格)
として表示されています。測定したパラメーターから計算により求められるパラメーターは、”C”
として表示されます。”I”によって示された試験は、受入試験の一部として実施されることもあります。”N”
によって示された試験は、受入、参考、または適合性試験の一部として実施されなければなりません。
| 銅線ケーブルの特性 |
テスト |
| 受入 |
適合性 |
参考 |
| 反射減衰量 |
I |
N |
N |
| 挿入損失 |
I |
N |
N |
| NEXT |
I |
N |
N |
| PS NEXT |
C |
C |
C |
| ACR-N |
I |
N |
N |
| PS ACR-N |
I |
C |
C |
| ACR-F |
I |
N |
N |
| PS ACR-F |
C |
C |
C |
| DC ループ抵抗 |
I |
N |
N |
| 伝搬遅延 |
I |
N |
N |
| 伝搬遅延時間差 |
I |
N |
N |
| 不平衡減衰量、近端(TLC) |
|
|
N |
| 結合減衰量 |
|
|
f.f.s |
| 長さ* |
I |
N |
N |
| ワイヤーマップ |
N |
N |
N |
銅線、シールド(該当する場合) の
導通性、回路のショートおよびオープン |
N |
N |
N |
| * 長さは合格/不合格として使用しません。 |
表B.1 -
受入、適合性、および参考試験のためのメタルおよび光ファイバー・
ケーブルのケーブル特性
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26) NVP
値を間違えて設定した場合の長さの測定誤差は?
NVP
の設定は、長さの測定のみに影響し、その他のパラメーターには影響を与えません。下記の表は、NVP
の設定変化により、リンクの最大長
に追加される不確かさの様子を示します。
ケーブル長 対 NVP
| NVP |
報告される長さ (m) |
| 60 |
75.9 |
| 61 |
77.2 |
| 62 |
78.4 |
| 63 |
79.7 |
| 64 |
81.0 |
| 65 |
82.2 |
| 66 |
83.5 |
| 67 |
84.8 |
| 68 |
86.0 |
| 69 |
87.3 |
| 70 |
88.5 |
| 71 |
89.8 |
| 72 |
91.1 |
| 73 |
92.4 |
| 74 |
93.6 |
| 75 |
94.9 |
| 76 |
96.2 |
| 77 |
97.4 |
| 78 |
98.7 |
稼働中の機器は、ケーブルの物理的な長さに影響されません。長さに関連したパラメーター、すなわち、挿入損失、伝播遅延、遅延時間差、および
DC ループ抵抗のみによって影響を受けます。このことから、ISO/IEC
11801:2002 および EN50173:2002
において、長さが測定要件にはなっていません。これについては、あまり気にする必要はありません。誤った
NVP
をテスターで設定したとしても、がっかりする必要はありません。その他の全パラメーターが適合している限り、アプリケーションは問題なく動くことを顧客に説明し、この文書を参照するよう伝えてください。
27) 近端漏話減衰量 (NEXT) とは?
NEXT 問題のトラブルシュート方法 (英文)
を参照することができます。下記のリンクをご覧下さい。
ケース・スタディ 1 - DTX
ケーブルアナライザーのマージナル NEXT 合格
ケース・スタディ 2 - ケーブルによる DTX
ケーブルアナライザーの NEXT 不良
ケース・スタディ 5 - 終端問題による DTX
ケーブルアナライザーの NEXT 不良
ケース・スタディ 7 - 非適合コンポーネントによる DTX
ケーブルアナライザーの NEXT 不良
ワイヤの中を電流が流れる時、隣接したワイヤ上の信号に電磁波による干渉が起こります。周波数が高くなる程、この影響はより強くなります。各対撚り線は、互いにこの磁界を打ち消すように撚られています。密に撚られればそれだけ、より高い打消し効果が得られ、そのケーブルによってサポートされるデータ転送レートも高速になります。この撚り線比を一定に維持することは、敷設を成功に導くための一つの重要な要因となります。
ワイヤが密に撚られていない場合、テスト結果にはNEXTが生じます。ほとんどの人が、電話をしているときに、かすかに別の会話が聞こえてきたという経験をしていると思います。これが漏話(クロストーク)です。実際、この漏話という名称は、電話で話していて
“話” が “漏れる” ことに由来します。LAN では、1
対のワイヤの強い信号が、隣接したもう 1
対のワイヤで拾われてしまうことで NEXT が生じます。NEXT
は、電磁的な結合によってよって受端側に戻ってくる送信信号の一部です。

テスト結果の見方
NEXT
は、干渉を与える側と受ける側のペア間の信号強度の差を測定しますので、その差が小さな値(より多くの漏話)よりも、より大きな値(より小さな漏話)が好ましい値となります。NEXT
は、周波数により、かなり変化するため、一般的に 1 - 100 MHz
の周波数範囲において測定することが重要です。たとえば、50
メートル長の対撚り線の NEXT
を見た場合、ジェット・コースターのように、特性が上下に急峻に変化しているのが観測されます。つまり、一般に、その大きさが増加するにつれ、特性が大きく上昇、下降を繰り返します。これは、高い周波数になるほど、対撚り線の結合を抑制する効果が、より低下するためです。

フィールド試験器は、周波数範囲全体にわたる一連の読み値を、一般的な合格/不合格ライン(例えばクラス
D 仕様) と比較する必要があります。NEXT
のカーブが、いかなる点においても合格/不合格と交差した場合、リンクは規格要求を満たしていないことになります。NEXT
特性は、リンクの各終端で固有なため、6 つの NEXT
結果を各終端において得る必要があります。
推奨されるトラブルシューティング方法
多くの場合、過剰な漏和は、接続部分の不十分な撚り戻しによる成端作業に起因します。ANSI/TIA/EIA
568-B によれば、すべての接続の撚り戻しは、終端点から 13 mm
以内にすべきとなっています。全ての規格に共通する注意事項は、撚りを解いた撚り戻し部分は最小にとどめておくべきということです。フィールド試験において、経験的に
13 mm
の撚り戻しは、合格を保証するものではないことが知られています。

NEXT
不良になった場合に最初に行うべきことは、フィールド試験器を使用して
NEXT
不良がどちらの端で起きているかを見つけることです。これが確認できたならば、そのNEXT不良となった側の接続をチェックし、適切に交換、あるいは再成端し直します。多くの試験器には、時間領域解析機能
(ケーブルを見渡して、漏話がどこで起こっているかについて見る能力)
を備えています。下記は、DTX
ケーブルアナライザーからの取得例です。この機能は、HDTDX
と呼ばれています。
もしも、この確認で問題があるように見えない場合、下位のカテゴリーのパッチコード(例えばクラス
D
敷設に使用する音声グレードのケーブル)が使われていないかどうか調べてください。NEXT
不良として考えられるもう一つの原因は、対分割(スプリット・ペア)
です。これらは、フィールド試験器のワイヤマップ機能で自動的に識別することができます。その他に、雌のカプラー(JJ
コネクター)
は、大きな漏話の原因となるため、情報配線の敷設には使用しないでください。もしも、ケーブルの長さが足りない場合には、もう一本ケーブルを追加するよりも必要な長さのケーブルと取り替えます。
時には、NEXT
不良は、不適切なテスト規格の選択によって起こります。例えば、カテゴリー
5
(現在、規格としてはなくなりましたが)の敷設ケーブルに対して、カテゴリー
5e 性能要件への適合を期待することはできません。
NEXT
のもっとも適切なトラブルシューティング手法は、試験器のタイム・ドメイン(時間領域)
機能を使用することです。これは、問題箇所の距離をピンポイントで特定することができる、試験器の不良検出機能です。この診断機能は、NEXT
不良の原因が、パッチ・コード、コネクター、あるいは水平ケーブルにあるのかどうかを明確に識別することができます。
上記の NEXT 原因の全てを取り除いたにも関わらす、NEXT
不良が続いて起きる場合には、システム設計者に相談し、更なるサポートを受けることをお勧めします。
28) 反射減衰量 (RL) とは?
特性インピーダンスの乱れは、は、反射減衰量の測定により、より正確な数値として表されます。
反射減衰量は、リンク全体のあらゆる場所のインピーダンスのミスマッチに起因する全ての反射を測定し、デシベル(dB)
で表されます。ギガビット・イーサネット(1000BASE-T)
の実装において特に懸念される項目です。
リンクの両端のインピーダンスの値は、リンクの特性インピーダンスと等しくなければなりません。大抵は、このインピーダンスは、LAN
に接続されている機器のインターフェース部分によって決まっています。特性インピーダンスと機器の終端抵抗間の良好なマッチングは、リンクに対する電力の伝送を効率よく行い、信号反射を最小限に抑えます。反射減衰量の測定値は周波数に依存して大きく変化します。反射減衰量の発生源の一つに、ケーブルに沿った特性インピーダンスの僅かなバラツキによるものがあります。不均等反射減衰量(SRL:Structural
Return Loss)特性は、ケーブル製造時の均質性を簡潔に顕しています。SRL
は、ケーブル製造時に測定され、性能が均一になるように管理されるべきものです。もう一つの反射減衰量の発生源は、敷設リンクの内部(主にコネクター)
からの反射によるものです。リンクの特性インピーダンスは、低周波数では高い値、高周波数では低い値へと変化する傾向があります。

テスト結果の見方
すべての規格は、周波数範囲全体において各ケーブル・リンク・モデル
(チャネルとパーマネント・リンク)
の反射減衰量の許容範囲を計算するための計算式を定めています。

リミットの一部が灰色になっている点に注目してください。灰色部分の周波数範囲で得られる全ての測定結果は、無視されます。これは、3
dB ルールと呼ばれ、挿入損失が 3 dB
未満の周波数範囲における全ての反射減衰量の測定結果は無視されます。短いリンクの場合、すべての挿入損失が
3 dB
に達しないため、すべてのリミット・ラインが灰色となることもあります。この場合、反射減衰量の測定は、情報提供のみとして記録されます。
推奨されるトラブルシューティング方法
カテゴリー 5e と 6 では、実際の施工作業が、カテゴリー 5
に比べより重要となってきます。終端部分の不必要な撚りの戻しは、場合によっては、数
dB
の反射減衰量の増加となります。下記は、適切に終端されたコネクターの例です。ジャケット部分の切断は最小限にして、撚りをできるだけ解かないよう注意してください。

反射減衰量の検証を必要とするケーブルを敷設する場合、細心の注意を心がけるようにしてください。
29)
トーン信号を発生する機能はありますか?
DTX
メインとスマート・リモート機器は、標準的な 2 kHz
のトーン信号の発生機能を備えています。IntelliTone プローブなどのトーン・プローブと組合せて使用することでケーブルやジャックの場所を特定することができます。

トーン・プローブは、トーン信号発生器からの信号を検出し、信号を伝送しているケーブルやジャックに近づくにつれ、大きな音声を発生します。
トーン信号は、UTP ケーブルのペア 1、2
上に発生します。
注記
DTX のトーン信号発生機能は、IntelliTone
用のデジタル・トーン信号を発生することはできません。アナログ信号のみとなります。
チャネルまたはパーマネント・リンク・アダプターをメイン・ユニットまたはスマート・リモートに取り付けます。
下記のように、ケーブルに接続します。

トーン信号を発生するには ボタンを押します。
トーン信号を止めるには、再度 ボタンを押します。
DTX
のメイン・ユニットは、下記の方法でトーン信号を発生することもできます。
ロータリー・スイッチを "SPECIAL
FUNCTION" に廻し、"トーン生成機能" を選択し、"ENTER"
キーを押します。
"開始"(F1)
キーを押すことで、トーン信号が発生します。止める時は、"停止"
(F1) キーを押します。
-> 
30) カテゴリー 5
の試験はできますか?
ご注意:
ご使用の際は、常に最新バージョンのファームウェアをインストールの上、ご利用下さい。
(最新バージョンのファームウェアはこちらからダウンロードできます。)
カテゴリー 5
は、廃止された規格ですが、カテゴリー 5
で試験された旧世代の配線システムを試験したい場合があります。
ロータリー・スイッチを “SETUP”
に廻し、”拠り対” を選択し "ENTER" キーを押します。

次に ”テスト規格” を選択し
"ENTER" キーを押します。"最後に使ったテスト規格"
のリストが表示されるので "その他のテスト規格" を選択し
"ENTER" キーを押すか、 ”次の画面” (F1) キーを押 します。
-> 
テスト規格のリストから ”TIA” を選択し
"ENTER" キーを押します。

リスト内の “TIA Cat 5 xx (TSB-95)” または “TIA
Cat 5 xx (TSB-67)” を選択することで カテゴリー 5
の試験が可能となります。

Cat 5 規格の歴史的背景:
1995 年 10 月に TIA は TIA/EIA-TSB-67 (カテゴリー 5
敷設のフィールド・テスト方法) を発行しました。1998
年にアプリケーション・グループは、4
ペアを使用した同時双方向伝送によるエンコード・システムとアルゴリズムの開発を開始しました。電気電子技術者協会
(IEEE) は、米国電気通信工業会 (TIA)
に対して、敷設済みのカテゴリー 5
ケーブリング・システムが双方向伝送を確実にサポートするようイコール・レベル遠端漏話減衰量および反射減衰量の特性化を要請しました。TIA
は、その依頼を引き受け、テレコミュニケーションズ・システム・ブリテン
(4 ペア 100 Ωのカテゴリー 5
ケーブリングに対する追記伝送性能ガイドライン) として
TIA/EIA-TSB-95 を発行しました。
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31)
規格で定められた最大測定周波数以上で測定を行うには?
この機能は DTX CableAnalyzer
のファームウェア・バージョン 1.1
以上で利用することができます。(最新バージョンのファームウェアはこちらからダウンロードできます。)
このオプションを有効にすることで、選択したテストの周波数を拡張することができます。選択した規格のリミット値を変更することはできません。
選択した規格 |
プロット・データの格納 |
No |
標準 |
拡張 |
| TIA Cat 5e Perm Link |
プロット・データなし |
100 MHz |
350 MHz |
| TIA Cat 6 Perm Link |
プロット・データなし |
250 MHz |
350 MHz 注2 |
| ISO11801 PL max Class D |
プロット・データなし |
100 MHz |
350 MHz |
| ISO11801 PL max Class E |
プロット・データなし |
250 MHz |
350 MHz 注2 |
| ISO11801 PL max Class F
注1 |
プロット・データなし |
600 MHz |
900 MHz |
| 10GBASE-T 注1 |
プロット・データなし |
600 MHz |
900 MHz |
| CATV 注1 |
プロット・データなし |
600 MHz |
900 MHz |
注1: DTX-1800 のみ
注2:なぜ、カテゴリー 6 / クラス E
は 900 MHz に拡張することができないのか?
これらの規格は、 DTX-1200でも利用することができます。ただし、DTX-1200
の最大測定周波数は 350 MHz のため、DTX-1200 と DTX-1800
の使用上の相互互換性を考慮し、「拡張」選択時の最大周波数は
350 MHz になっています。
これはチャネル測定についても同様です。
この機能を使用するには、DTX CAbleAnalyzer
のロータリー・スイッチを “SETUP” に廻し、”機器の設定”
を選択します。次に “プロットデータの格納” 項目から ”No”、”標準”、”拡張”
を選択することができます。
->
-> 
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